高齢者が餅を喉につまらせる事故が後を絶たちません。特にこれからの季節はお正月もあって食べる機会が増えますので要注意です。そこで予防法と対処法を考えてみましょう。

お餅 誤嚥事故
お餅 誤嚥事故

東京都S区に住むNさんは、母(91)に大好物の餅を食べさせる時は細心の払います。飲み込みやすいように餅を1~2cm角に切り分けるほか、焼いた後にお湯に浸して軟らかくする。雑煮にする場合はよく煮る。「小さく切っても何個も口に入れることがあります。とにかく目を離さないようにしています」という。

厚労省の統計によると食べ物が喉に詰まって死亡した65歳以上の高齢者は2010年に4249人に上った。東京消防庁によると、都内で同年までの5年間に601人が餅の事故で救急搬送されており、80歳代が211人、70歳代が199人を占めた。

日本大学歯学部のT准教授によると、食べるという行為は、下記(1)~(3)の一連の動きからなるそうです。

(1)噛んだ食べ物を舌で喉に送る。

(2)喉が収縮し、喉仏が上がる。

(3)気管の入り口が閉じ、食べ物が食道へ。特に高齢者は各動作をする筋力が弱まっていたり、動作タイミングがずれたりして食べ物が気管に入ってしまいやすい。

こうした「誤嚥(ごえん)」は、どんな食べ物でも起きるが、粘り気がある餅は気管を完全に塞ぎ深刻な事故になりやすい。このため、高齢者の体の状態によっては、餅を食べさせない判断も必要だ。

食べる場合は、前述のNさんがしているように餅を小さく、軟らかくする。このほか、水やお茶で口の中を湿らせ、餅が喉に張りつきにくくする。なぜなら高齢者は唾液の分泌量が少ないからだ。「意外かもしれませんが、食べる前に深呼吸をしておくのも有効」とT准教授。飲み込む際の舌や喉の動きを正常にする効果があるという。では、いざ餅の事故が起きたらどうすればよいのでしょうか。

以下東京消防庁救急指導課のSさんのご説明です。

 

■対処法には次のようなものがあります。

まず、できる限り自力で咳をさせる。それが無理なら、背中を叩いたり(背部叩打法)、みぞおちを押し上げたりして、肺の空気を押し出し、気管に詰まった餅を取り除く(腹部突き上げ法)を試して下さい。とのことです。           いずれも、何回か繰り返すが、「肺の中に最も空気がたまっている1回目が大切ですので怖がらず、思い切ってください」とSさん。箸や掃除機で取り除こうとする人もいるが、かえって餅を奥へ押し込んでしまう恐れがありやめたほうが良いとのことです。

餅を取り除いた後も残りカスに付いた雑菌などが肺炎を引き起こす可能性がある。「安心せず、すぐ病院で診察を受けて下さい」とSさんは話す。

私にも高齢(82)の母がおりまして人事ではありませんのでいざという時慌てないようにしたいと思います。

皆さんも高齢者との楽しいお正月(誤嚥は正月に限りませんが)になる様に、救急術情報などご留意くださいね。